中の人の課題曲解説 3曲目「My Favorite Things」

こんにちは。八王子ジャズフェスティバル実行委員会の中の人です。

八王子JAZZ DAYでは、八王子のまちなかにジャズの響きを届け、地域の人々にジャズの楽しさや新たな出会いを感じていただくことを目指しています。
その一環として、毎年「課題曲」を設定しています。フェス全体にゆるやかな一体感を生み出し、ジャズフェスらしさを感じてもらうためです。

今回ご紹介するのは、「My Favorite Things」


「My Favorite Things」とは?

「My Favorite Things」は、1959年に公開されたミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』の劇中歌として誕生しました。
作詞はオスカー・ハマースタイン2世、作曲はリチャード・ロジャース。映画ではジュリー・アンドリュースが歌い、一躍有名になりました。

日本では、JR東海の「そうだ 京都、行こう。」のCMで使われたことで、さらに多くの人に親しまれるようになりました。その透明感あふれるメロディは、「特別な時間」を連想させ、多くの人の心に残っています。

しかし、ジャズの世界に入ると、「My Favorite Things」はまったく違う表情を見せます。
特にジョン・コルトレーンが1961年に発表したバージョンは、3/4拍子のままながら、幻想的で力強いジャズに昇華され、彼の代表曲のひとつとなりました。

「My Favorite Things」の魅力

この曲の魅力は、何と言っても「変幻自在さ」。

オリジナルはミュージカルの名曲らしく、優雅で美しいメロディが印象的。しかし、ジャズの世界ではその表情が演奏者ごとに大きく変わります。

ボーカルなら、しっとりと情感たっぷりに歌い上げるアプローチもあれば、明るく軽快にスウィングするスタイルも。インストでは、ピアノやサックスが自由に旋律を解釈し、シンプルなメロディを大胆にアレンジすることも。

同じ「My Favorite Things」でも、演奏者が変わればまったく異なる曲に聴こえる──この自由度こそが、「My Favorite Things」を特別な一曲にしているのです。

中の人おすすめの「My Favorite Things」

ジョン・コルトレーン

アルバム『My Favorite Things』(1961年)に収録されたバージョン。ジャズ史に残る名演で、彼のサックスが幻想的かつ情熱的に響き渡ります。

サラ・ヴォーン

彼女の深みのある声と圧倒的な表現力が際立つ一曲。オーケストラではなく、シンプルなトリオ編成がサラの声を引き立て、静かな中に込められた情感が心に響きます。

ケニー・バレル

ビッグバンドの壮大なアレンジと彼のギターが融合したバージョン。重厚なホーンセクションとリズムの中で、バレルのギターソロが引き立ち、ジャズの即興性を感じさせる迫力満点の演奏です。

八王子JAZZ DAYでの「My Favorite Things」

「My Favorite Things」は、そのアレンジ次第で無限の表情を見せる曲です。ジャズの演奏者によって、メロディの解釈やリズムの変化が楽しめる一曲。

「八王子JAZZ DAY 2025」では、どのバンドがどんなユニークなアレンジを施すのか、非常に楽しみですね。同じ曲でも、演奏者ごとに異なる味わいが出てきます。

ぜひ、フェス当日にはいろいろな「My Favorite Things」を聴き比べて「私のお気に入り」な一曲を探してみてください。


次回は「Cantaloupe Island」をお届けします。

ジャズのリズムとグルーヴが特徴的な、ノリノリな曲ですね!

次回もお楽しみに!

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