東京の西の果て、自然と歴史が息づく街・八王子。
この街には、実は根強いジャズファンや優れたアマチュアミュージシャンがたくさんいます。
彼らが長年夢見てきたのが、地元で開催される本格的な「ジャズフェスティバル」でした。

これまでにも何度か、ジャズフェスを立ち上げようという機運が高まり、各所で個々に声が上がっていました。しかし、資金面や会場、行政との調整など様々なハードルが立ちはだかり、実現には至りませんでした。
「もう八王子でジャズフェスは無理かもしれない……」
そんな諦めムードが広がりつつあった2019年、ひとつの転機が訪れます。

それまでクラシック音楽が中心だった「八王子音楽祭」のメインテーマが、初めて「ジャズ」に決定されたのです。

そして、数日にわたって開催された音楽祭のうちの1日が、応募してきたミュージシャンを集め、彼らをメインとしたイベント・・・今の八王子JAZZ DAYの原型ともいえるイベントでした。
数日間行われる八王子音楽祭のうちのたった1日。しかし、その1日が、地元のジャズ愛好者にとっては忘れがたい瞬間となったのです。

このイベントでは、プロアマを問わず多くのジャズミュージシャンが一堂に会し、熱気あふれる演奏を繰り広げました。
この出来事は、八王子のジャズシーンにとってまさに大きな転機でした。イベント当日、八王子ゆかりのジャズミュージシャンたちが一堂に会し、心をひとつにして演奏したあの1日は、ただの「イベント」ではなく、未来への種まきのような時間でした。

「このつながりを、今日だけで終わらせてしまうのはあまりにも惜しい。」

その思いが自然と高まり、意を決して『八王子ジャズフェスティバル実行委員会』を立ち上げたのです。

委員会には、ジャズミュージシャン、イベント運営経験者、音楽愛好家など多彩な顔ぶれが集まりました。立場も世代もバラバラですが、「八王子にジャズフェスを根付かせたい」という想いはひとつ。
この小さな一歩から、八王子のジャズカルチャーをさらに盛り上げていくことを、私たちは目指しています。