中の人の課題曲解説 5曲目「There Will Never Be Another You」

こんにちは。八王子ジャズフェスティバル実行委員会の中の人です。
八王子JAZZ DAYでは、八王子のまちなかにジャズの響きを届け、地域の人々にジャズの楽しさや新たな出会いを感じていただくことを目指しています。
その一環として、毎年「課題曲」を設定しています。フェス全体にゆるやかな一体感を生み出し、ジャズフェスらしさを感じてもらうためです。
今回ご紹介するのは、「There Will Never Be Another You」
「There Will Never Be Another You」とは?
「There Will Never Be Another You」は、1942年のミュージカル映画『Iceland(アイスランド)』のために作られた楽曲です。
作曲はハリー・ウォーレン、作詞はマック・ゴードン。映画の中ではジョーン・メリルが歌い、すぐにスタンダード曲としてジャズシーンに定着しました。
この曲は、甘くも切ない歌詞と美しいメロディが特徴で、多くのジャズミュージシャンによってカバーされています。
特にその歌詞は「あなたのような人はもう二度と現れない」というメッセージが込められており、恋愛の儚さや切なさを描いています。
「There Will Never Be Another You」の魅力
この曲の魅力は、シンプルで覚えやすいメロディと心に響く歌詞。
ボーカルで歌われると情感たっぷりに響き、インストゥルメンタルでは即興性が際立つ一曲です。
ミディアムテンポで演奏されることが多く、スウィングからバラード、さらにはアップテンポのアレンジまで自由に解釈が可能。
ジャズの演奏者にとっては「表現力を試される一曲」として愛されています。
中の人おすすめの「There Will Never Be Another You」
チェット・ベイカー
彼のトランペットと繊細なボーカルでしっとりと歌い上げるバージョン。
恋心の切なさが、彼の柔らかな声と音色にぴったりです。
ソニー・ロリンズ
1965年のLive At The Museum Of Modern Art, New Yorkバージョン。
テナーサックスの軽快なメロディラインが、明るくエネルギッシュな魅力を引き出しています。
ナンシー・ウィルソン
ナンシー・ウィルソンの「There Will Never Be Another You」は、1965年のアルバム『Gentle Is My Love』(Capitol Records)に収録。彼女の表現力豊かなボーカルが曲のロマンティックさを引き立てています。
八王子JAZZ DAYでの「There Will Never Be Another You」
「There Will Never Be Another You」は、シンプルなメロディとコード進行が特徴のスタンダード曲。
そのため、八王子JAZZ DAYでもさまざまなアレンジで演奏されることが予想されます。
ボーカルが歌い上げるロマンティックなバージョンや、サックスがメロディを奏でるインストゥルメンタル、テンポを上げたスウィングバージョンなど、聴きどころが尽きません。
ぜひ、フェス当日には「あなたの心に響く」バージョンを見つけてみてください。
次回は「On the Sunny Side of the Street」をお届けします。
この曲は明るくポジティブな雰囲気で、聴く人を元気にしてくれる一曲です!
そして、この「中の人の課題曲解説」シリーズも次回で最終回。
最後までぜひお楽しみください!