狩猟免許は不合格。それでも、八王子市長が試験に挑んだ理由

合格という結果には届かなかった。それでも、このニュースには、試験の点数だけでは語れない背景があります。
2026年11月2日、八王子市は初宿和夫市長が東京都の狩猟免許試験に不合格だったことを発表しました。
市長が受験したのは、10月31日に実施された網猟、わな猟、第一種銃猟の3種類です。不合格の原因について、市長は大型獣以外の野生鳥獣に関する狩猟知識が不足していたと説明しています。
市長が狩猟免許の取得に取り組んだ背景には、八王子市で相次ぐクマの出没があります。
市長自ら、狩猟免許の試験へ
初宿市長は元海上自衛隊員。2025年11月、獣害対策に自身の経験を生かしたいとして、狩猟免許取得への意向を公表していました。
それから約1年。2026年10月31日に実際の試験を受験しました。結果は不合格。
ただし、ここで注目したいのは、試験の結果だけではありません。市長という立場にありながら、地域が直面する課題について、自ら知識を身につけようと試験に臨んだという事実です。
クマ対策には、幅広い知識が求められる
八王子市では、山間部を中心にツキノワグマの出没が問題になっています。一方、狩猟免許はクマだけについて学べば取得できる資格ではありません。対象となる野生鳥獣や猟具、法令、安全管理など、幅広い知識と技能が求められます。
今回の不合格は、そうした試験の範囲の広さを改めて知る機会にもなりました。
もちろん、狩猟免許の取得と、自治体として適切な獣害対策を進めることは同じではありません。市民の安全を守るためには、専門家や関係機関との連携、適切な判断、継続的な対策が欠かせません。
結果だけでは見えないもの
試験に合格できなかったという事実は、そのまま受け止める必要があります。一方で、行政の責任者が地域の課題について学び、試験という形で知識を確かめようとした経緯にも目を向けたいところです。
初宿市長は今回の結果を受け、公務を優先しながら獣害対策について引き続き研鑽を重ねる考えを示しています。
今後、その学びが八王子市の獣害対策にどのようにつながっていくのか。今回のニュースをきっかけに、地域の安全と、それを支える人々の取り組みに関心を向けてみたいと思います。
